幻想的な光に魅了 ともしびの夕べin馬入水辺の楽校    

11月16日に開かれた「ともしびの夕べ」には多数の市民が訪れ、光の祭典を楽しみました。馬入水辺の楽校の利活用促進策の一環として実施されたもので、初の試み。会場には多数の竹とうろうやガラス瓶キャンドルが飾りつけられ、幻想的な光で包まれました。

 


自然展も開催され、クズのツルの野あそびやストラックアウトなど、子供達の歓声であふれました。準備から開催まで、多数の人の参加で実現しました。一番の収穫であります。

 

 

「湘南いきもの楽校水ガキ養成講座」     海のお魚調べ

●相模川を丸ごと楽しむ

8月31日、ひらつかタマ三郎漁港で子どもを対象にした海のお魚調べを実施した。
平塚市漁業協同組合の協力で実現した。
水ガキ養成講座はまだ途中だが、源流域での皮むき間伐体験と清流の生き物調べ、中流域でのカヌー体験と魚採り、下流域での川の自然楽校、そして今回の海の生き物調べと、相模川を丸ごと楽しんでいる。
全部の企画に参加できた子、そうでない子、いろいろだが、最大の収穫は子どもたちのあふれる笑顔に接することができたこと。

自然との触れ合い、生き物との出会いが、如何に大切かを知る旅となった。

 

 

●1日で81種観察

海のお魚調べでは、定置網漁で獲れた魚、子どもたちが港内で捕獲、見たもの、夜の集魚灯に集まったものなど、1日で81種となった。
暮らしの近く、ひらつかタマ三郎漁港にたくさんの生き物がいることを知った。
これは、講師、手良村知功さん(東京大学水産実験所修士2年)のおかげ。
先生無くして今回の企画は成立しなかった。
魚に対する愛情、豊富な知識、話術が子どもたちを惹きつけた。

 

 

●ミニミニ水族館

水槽の中はカワハギやサザナミフグ、ニジギンポ、オヤビッチャなどの稚魚であふれた。
見ているだけで楽しい。でも、子どもたちは見ているだけではダメ。とにかく触りたい。飽きずに水槽に手を入れている。
お魚にはしばし我慢してもらった。
魚釣りに訪れた市民も覗いていく。
釣り上げた魚の種類を聞きに来る人、釣った魚をくれる人、釣竿を持たしてくれる人など、魚と子どもたちが人と人をつないだ。

 

 

●夜の生き物に魅入る

圧巻は夜の生き物調べ、スポットライトで海を照らしているとプランクトンが多数水面に集まる。筋になって、たなびく。
それを狙って小魚が集まる。アンドングラゲの長い触手がユラユラ。みんなを惹きつける。幻想的だ。魚の群れが目の前をよぎる。
シラスやシラスウナギ、イカの赤ちゃんも登場する。
はしゃぐ子は一人もいない。みんなじっと海をみつめる。
あっという間に時間が過ぎる。心に残る体験になったようだ。

 

 

 

●魚も採れたが、ゴミもいっぱい。「ゴミは捨てない」の声も。

最後に、魚採りは流れ藻の下を探るが、港内にあるゴミもいっぱいすくってしまう。
子どもたちから「きたない」「お魚がかわいそう」「ゴミは捨てない」との声があがった。
藻は海に返すが、ゴミは陸にあげる。
毎年、ゴミ拾いを実施しているが、こんなシーンは見たことがない。
ゴミが自分ごとになった瞬間を見たような気がする。

 

●港内のお魚調べは満潮時、ライフジャケットが必着。

とても魅力的な観察会だが、生き物に詳しい講師が欠かせない。
毒を持つ生き物のことをアナウンスする。
水面との距離が近い満潮時に実施すること。干潮時では網が届かない。
ライフジャケットは必着。
木の浮き輪を用意する。スタッフは見守り隊に専念するなど、最新の注意が必要である。
(10)

 

森が、山仕事が、清き流れが、子どもたちを元気にする。 桂川・相模川上下流交流会

相模川の上流域を桂川と呼びます。山梨と神奈川の県境を越えて「いい川づくり」に取り組んでいます。今年で4年目の上下流交流会。源流域の山梨県で清流の生き物調べと皮むき間伐体験を実施しました。

 


大半の子が清流での川遊びは初体験のよう、「冷たい、楽しい」との声であふれました。きれいな水に棲む生き物が多数みつかり、熱中、生き物調べとなりました。
下流域の飲料になる水をきれいにしようという呼びかけが素直に心に入る体験となりました。
森と海はつながるをコンセプトに開催した皮むき間伐体験は子どもたちの心を揺り動かしました。「こんなにも木がつるつるしていると思わなかった。これからも自然を大切にしようと思った」「自然とかかわる体験ができた。森を大切にすることをつなげていきたい」と新鮮な体験になったようです。

 


皮むき間伐は、スギやヒノキの皮をはぎ、枯らして用材にします。葉でできた養分が根に届かないため1年余りで木は枯れます。重量が三分の一になり、作業が軽減されます。力のない女性や子どもたちでも間伐に力を貸せる有用な方法と注目されています。

 


プログラムの根幹は、森と海は繋がっていること、森林管理の重要性を伝えます。
人間本位ではなく、生き物と共存した生き方を伝えるため、法螺貝を吹き、山の神様と切る木に対し、切らしてもらうことの許しを得ます。
山の中の作業は人知を超えたなにかの存在を感じさせます。500年後に豊かな森になるよう、みんなで祈りました。山神様の存在を感じたのでしょうか、はしゃいでいる子は一人もいません。生き生きとした笑顔があふれる催しとなりました。20(圧縮)

子どもが元気、いきもの元気、地域が元気 「湘南いきもの楽校・水ガキ養成講座」

●水ガキ復活を願って

川で遊ぶ子どもたちのことを川ガキや水ガキと呼びますが、今や、絶滅危惧種。

ここ相模川でも滅多に出会うことができません。なんとかせねばと昔のガキ大将が乗り出し、水ガキ養成講座に取り組んでいます。

今年は天候不順で前2回が中止になるなど、ヤレヤレのスタート。今回も開催が危ぶまれましたが、スタッフの願いが天に通じてか、子どもたちの元気な声に会うことができました。
●源流域、山梨県の子どもたちも参加

今回の催しは、私たちと共に相模川のいい川づくりに取り組んでいる「桂川・相模川流域協議会」と協働で実施しました。源流域の山梨県の子どもたち、相模原市・平塚市・茅ヶ崎市・寒川町の子どもたちが集まり、カヌー体験、いかだ遊び、ガサガサ魚とりを楽しみました。4回目にして、相模川流域全体の取り組みへと発展しました。

 

普段、子どもたちは、川は危険だから遊んではいけないと言われていますが、この日ばかりは昔のガキ大将やお魚の先生、カヌーイストらのサポートがありますので、川遊びを満喫できます。あちこちで、「今日は楽しい」「面白い」というはしゃぎ声が聞こえてきて、おじさんたちは大満足。「やってよかった」の一瞬であります。

 

ガサガサ魚とりでは、ゴクラクハゼ、ボウズハゼ、ヌマチチブ、スミウキゴリ、マハゼ、アシシロハゼ、ボラ、アユ、ニホンウナギ、メダカ、ヨシノボリ類稚魚、モクズガニ、テナガエビ、スジエビ、ヌマエビ、ウシガエル(オタマジャクシ)、ヒラタドロムシ、キベリマメゲンゴロウ、アメンボ、コオニヤンマ、サナエトンボ類のヤゴなどが見つかり、みんな大興奮。「次はいつやるの」とリクエストが来るほどの人気ぶりでした。

主催者として、スタッフや指導者の確保、募集活動、カヌーやライフジャケットの準備、テントや網、バケツ、水槽の確保、保険の加入、簡易トイレの準備、安全管理体制の構築、下見の実施等、かなりのエネルギーがかかる催しですが、ちびっ子の笑顔がすべてを消してくれます。スタッフに感謝。やりがいのある一日となりました。